皆さんも一度は耳にしたことのあるであろう”鍋ワード”として、「鍋奉行」というのがあります。
鍋料理を食べる時に「まだ追加の具材入れちゃダメ!」とか「この具材は最後に入れるんだよ」などと的確なアドバイスをしてくれる方々です。
この鍋奉行という言葉自体は世間に浸透しており色々な用途で使われています。
お店の名前になったり小説の題名になったり。
また、コミックバンドの曲名にも入ったりしています。
これらは良い意味・・というか悪いイメージはあまりないようですが、本来の鍋に関することで使われる「鍋奉行」という言葉は、良い意味で使われることってあまり多くありません。どちらかと言えば悪いイメージで使われることが多いと思います。
ところが、鍋奉行という言葉の由来を調べてみると、一概にそうとも言えない由来があるかも・・・ということが分かりました。
今日はそんな「鍋奉行」についてのお話し。
悪いイメージで使われる「鍋奉行」
先ほど述べた悪いイメージで使われる場合、鍋奉行という言葉には次のような意味合いが発生しています。
・仕切りたがり
・好きなように食べさせてもらえない
・自分勝手
「あのひとは鍋奉行だから、仕切りたがる・・」とか「鍋奉行がいるから、自由に食べられない」といった具合にです。
以上のように悪いイメージで使われることが多い鍋奉行という言葉、そもそもどのような由来があるのでしょうか?調べてみました。
鍋奉行の由来
この言葉の出所は、実はあまりはっきりとしていません。
鍋料理を食べる時の仕切る人に対して「偉そう」という嫌味を込めて付けられた俗語である・・・とか、昔のお殿様の料理番のことをそう呼んでいた・・・とかいろいろな説があります。
中にはこのような説も
江戸時代の初期は、鍋は貴重な道具でした。
そこで大切な鍋をきちんと管理するために設けられた役職が鍋奉行なのですね。
鍋を守るという仕事を名目に強い権限が与えられていたそうです。参照:「三人寄れば」
この説が正しければ、鍋奉行というのは悪い意味はなく、良い意味で使われるべき言葉だったんですね。
ここまで鍋奉行の悪い部分ばかり挙げてきたので、鍋奉行がいる場合のメリット(良いイメージ)も挙げてみましょう。
鍋奉行がいる場合のメリット
鍋奉行がいて周りが受けるメリットは
・最高な状態で美味しく鍋を食べさせてくれる
・初対面のような集まりで皆が遠慮している場合でも、指示を出してくれる
・どの具材を食べたら良いか分からない人に、適切なアドバイスを出してくれる
・遠慮して鍋に手を伸ばせない人に、取り分けてくれる
等といったものがあると思います。
このように、遠慮がちな人がいる場合には重宝する存在なのかもしれません。
まとめ
鍋奉行の存在は、決して悪いものではありません。昔は貴重な鍋を管理するエライ人だった可能性もあるわけですし。
人によっては「自分勝手」「うっとうしい」といったように感じられる場合もありますが、遠慮がちで手を出せない人や初対面ばかりの集まりの場合には、役に立ち場の空気を良くする存在なのかもしれません。
以上、鍋奉行に関する考察でした。めでたしめでたし。