現在では多くの人が鍋料理を食べることが一般的で鍋料理も生活に溶け込んでいますが、そもそも、鍋料理はいつ頃から食べられるようになったのでしょうか?
ふと、鍋料理の歴史というものを知りたくなったので、鍋料理の生い立ちから一般的になる現在までの歴史を調べてみることにしました。
歴史を知って、さらに鍋スキになっちゃいましょう!
鍋料理の歴史
まずは年表にしてまとめてみました。
年 代 | 鍋料理の歴史 | 時代背景 |
弥 生 |
貝殻を鍋のようにして使用 |
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平 安 | 鉄鍋が朝廷に献上される | |
室 町 | 大鍋料理が一般的 | 囲炉裏が一般家庭に普及 |
江 戸 | 鍋料理店(田楽・あんこう鍋・湯豆腐店)が多く登場 | 食文化の発展 |
明 治 | 牛鍋(すき焼)が大流行 | 文明開化・富国強兵策 |
現 在 |
さまざまな鍋スープが登場
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インターネットの普及 |
鍋料理の誕生
鍋料理の誕生は器である「鍋の誕生」が起源となります。
鍋としての機能を持ち合わせたものが誕生したのが弥生時代以前のこと。その頃は、大きな貝殻を鍋代わりにするスタイルでした。
鍋状の鉄器が登場したのが平安時代前後。当時編纂された「延喜式(えんぎしき・当時の法令集のようなもの)」に、鉄鍋を朝廷に献上したことが記されています。
鍋料理の普及
鉄鍋が一般庶民にまで普及した平安時代後期から室町時代に、囲炉裏も普及するようになりました。各種調理器具の普及と共に鍋料理も普及していくこととなります。
とは言っても当時の鍋料理は、囲炉裏に置いた大きな鍋で作り、それを小鉢に取り分け座敷に運ぶというスタイル。今のような「鍋を囲んで皆でつつく」というスタイルではありませんでした。
鍋文化の熟成
現在のような「座敷で鍋を囲む」というスタイルが登場したのは、江戸時代に入ってからのこと。食文化が発展・熟成するようになり鍋料理も大きな発展を遂げます。湯豆腐店、あんこう鍋店、田楽鍋店が登場したのもこの頃です。
そして江戸時代末期から明治時代にかけある鍋料理の登場により鍋料理の人気を一気に高めることになりました。それが「牛鍋(すき焼)」です。
牛鍋が一般庶民に流行することになった背景には「富国強兵策」があります。日本では仏教伝来以来長らく肉食が禁止されてきましたが、文明開化・富国強兵が声高に叫ばれるようになり、国が肉食を推奨するようになったのです。
その頃から「座敷に置かれた一つの鍋を皆で囲んで食べる」という、現在の鍋料理スタイルが一般的になっていきました。
鍋文化の現在
そして現在。鍋料理はもはや食卓に欠かせない定番メニューとして、多くの人が慣れ親しんでいます。
近年の鍋ブームにより、市販のスープも多くの種類が登場。インターネットの普及で"お取り寄せ"が可能になったことにより、遠方の「ご当地鍋」も食べられるようになりました。
まとめ
今回は鍋料理の歴史をまとめてみました。
こうしてみてみると、鍋料理が一般的になってから、まだ200年ほどしか経っていないんですね!
200年の間の鍋料理の発展の著しさは、目を見張るものがあります。
そこには一つの鍋を皆で囲んで食べるという鍋の魅力に憑りつかれる人がいかに多いかが見てとれますよね。
やっぱり鍋って素敵なものですね!